小説家志望の青年・村上哲明は、投稿している編集室に花を持って現われた。彼のめあてはそこに務めている星みつ子である。みつ子は最近見合いをし、付き合っている男性がいたが、それを承知で哲明は食事に誘った。飲み屋で彼は自分の育った田舎のことや思いつきの小説の話など勝手にしゃべる。お嬢さん育ちのみつ子にはそんな話が新鮮だったが、帰り際、突然キスしようとした哲明に逃げ帰った。誘われるままにみつ子は哲明と何度か会う。けれど彼に近づく程、警戒心が強まっていく。平凡に生きていくつもりのみつ子にとって哲明は危険すぎた。一方的にこれきりだと哲明に告げ、帰って来たとたんみつ子は後悔の念に襲われる。哲明が高熱で倒れたと知った彼女は彼のもとに走った。枕元でみつ子は「婚約者と別れた」と告げる。二人は、愛の確認の場所に海辺の小さなホテルを選び結ばれた。親や友人に哲明との交際をとがめ...